11月28日に上越タイムス広告会の
文化事業「コミュニティ懸賞作文「我がまち上越」」
の表彰式があり同窓生の工藤さんの旦那様の作品が
最優秀賞に選ばれました。
とてもすばらしい作品なので
工藤さんにお願いして
ブログに掲載させて頂く
お願いをしたところ
快くお許しを頂きましたので
掲載させてもらいます。
"おまん" ということ
平成元年2月、私は初めて上越の地に足を踏み入れた。
高校を卒業して間もない頃のこと、
期待と夢と沢山の不安を抱えて、高田駅に降り立った私に、雪混じりの雨、
受験のための宿泊先へトボトボ歩いていると、
見知らぬ街並みに不安になり、通りすがりの人に道を尋ねる。
「おまん、雁木は入んない。」
私の "おまん" との出会いはここから始まる。
ちなみに、この時の私は、雁木が公道である事を知らずに、車道を歩いていた。
2度目は、自動車学校の先生、
「おまん、もっと早くブレーキ踏みないや。」
この頃、全国から集まった大学仲間の間では、"おまん" という
言葉をきいたときの衝撃と、各地方の方言が話題となっていた。
ちなみに、私の出身地では"おみゃー"となる。
バイト先の店長は、私を飲み屋に連れ出しては、
「おまんは、酒の注ぎ方も知らんのかね。」
など、沢山のダメ出しをした。
そうやって、私を立派な大人に鍛えてくれた。
この言葉には厳しさもあったが、たくさんの愛があふれていた。
そうして何年か経って、私のことを
「おまんさー。」
と、何かと気にかけてくれる人ができた。
上越のことも、その人のことも大好きになっていた。
一大決心をして、彼女の家族に挨拶に行くと、
強面のお兄さんとやさしそうなお母さんは、
「おまん、この娘を頼むね。」
と、私を身内にしてくれた。
気がつくと、私は上越の人になっていた。
あれから26年。学校の先生になって、
生徒に"おまん"と自然に使えるようになっている。
複数形の "おまんた" も、滞りない。
ひとを呼ぶ言葉で、"おまえ" ほど威圧感がなく、"あなた" ほど遠慮がない。
温かく親しみを含んだ呼び方 "おまん" を、
私はこれからも使い続けたい。
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工藤さん、最優秀賞受賞おめでとうございます。
同窓会を通じて繋がっている事で
素敵な心温まる作文に出会えて
"おまんた" に感謝しております。笑
また、快く掲載を許可して頂き
ありがとうございました。